現役エンジニアが社内SE(情報シス)のメリットとデメリットを解説!〜転職を考えている方へ〜
社内SEってIT業界でもホワイト企業が多いって噂だけど、実際のところどのあたりが良い点なの??悪い点はあるの???
今回は現役社内SEの私が社内SEについて良い点や悪い点を解説するね!
皆さん、こんにちは。今日は、エンジニアのキャリアパスの一つである「社内SE」について詳しく解説していきます。転職を考えている方や、キャリアの方向性に悩んでいる方にとって、参考になる情報をお届けします。

1. 社内SE(情報シス)とは?その役割と重要性

社内SE(情報シス)は企業内のITシステムを管理・運用する専門職です。企業のITインフラを支え、業務の効率化やセキュリティ対策を行う重要な役割を担っています。

1.1 社内SEの定義と主な業務内容

社内SEとは、自社内で使用するシステムの企画、開発、運用、保守を担当するエンジニアのことです。具体的な業務内容は以下の通りです。
    • システムの企画・開発
    • システムの運用・保守
    • ネットワーク管理
    • IT資産の管理
    • ヘルプデスク業務
これらの業務を通じて、社内SEは企業全体のIT環境を最適化し、業務効率を向上させる役割を果たします。

1.2 一般的なSEと社内SEの違い

主な違いを表で表すと以下になります
比較項目 一般的なSE 社内SE
主な顧客 外部企業 自社の各部署
業務内容 システム開発、導入、保守 社内システムの運用、保守、ヘルプデスク
プロジェクト 複数の短期〜中期プロジェクト 長期的な社内システム管理
技術スキル 幅広い最新技術 自社システムに特化した技術
キャリアパス 様々な業界・企業での経験を積める 同一企業内でのキャリアアップが中心
給与水準 比較的高い やや低め〜中程度
勤務形態 プロジェクト先への出張あり 基本的に自社オフィス勤務
業務の安定性 プロジェクト終了後の不安定さあり 比較的安定
ビジネススキル 提案力、折衝力が重要 社内コミュニケーション能力が重要
専門性 特定の技術領域で高い専門性 自社システム全般の幅広い知識
顧客と業務内容の違い: 一般的なSEが外部企業向けにシステム開発を行うのに対し、 社内SEは自社の各部署をサポートし、既存システムの運用や保守を主に担当します。 プロジェクトの性質: 一般的なSEは複数の短期〜中期プロジェクトに携わりますが、 社内SEは長期的な視点で社内システムを管理します。 必要なスキルセット:一般的なSEは幅広い最新技術に精通する必要がありますが、社内SEは自社のシステムに特化した技術力が求められます。 キャリアパスと給与: 一般的なSEは様々な業界で経験を積むことができ、給与水準も比較的高い傾向にあります。 社内SEは同一企業内でのキャリアアップが中心となり、給与水準はやや低め〜中程度となることが多いです。 勤務形態と安定性: 一般的なSEはプロジェクト先への出張があり、プロジェクト終了後の不安定さもありますが、 社内SEは基本的に自社オフィス勤務で比較的安定しています。 求められるビジネススキル: 一般的なSEは提案力や折衝力が重要ですが、 社内SEは社内コミュニケーション能力が特に重要となります。

専門性の違い:

一般的なSEは特定の技術領域で高い専門性を持つ傾向がありますが、 社内SEは自社システム全般に関する幅広い知識が求められます。

2. 社内SEのメリット

社内SEのメリットは以下になります
    • 残業が少ない
    • 福利厚生が充実している
    • 精神的ストレスが少ない
    • 穏やかな人が多い

2.1.残業が少ない

社内SEの平均残業時間は13.9時間/月で、IT業界平均の23.2時間/月よりも大幅に少ない ベンダーへの外注メインなので残業は少ないことが多い自分の時間が増えるので隙間時間でスキルアップや副業に挑戦できるのがメリットになります

2.2.福利厚生が充実している

IT業界と比べて長期雇用を前提とした制度が多く住宅手当/社食/家族手当/退職金制度などが整っている会社が多い傾向です。 IT企業は基本転職する人が多いから長期雇用前提の福利厚生があまり備わってないけど社内SEは比較的充実してる企業が多いです

2.3.精神的ストレスが少ない

客先常駐がなく孤独感を感じない自社クライアントなんで納期の調整がしやすく無理なスケジュールを組む必要がないなどもあり精神的ストレスはIT業界の中では少ない傾向です。 スケジュールは社内SEでも勿論存在するが、比較的融通の効く計画を立てられる場合が多い

2.4.穏やかな人が多い

辛い労働環境には気難しい人が多い傾向が高い定時退社もできて心理的ストレスも少ない社内SEは比較てい穏やかな人が多い傾向があります

3. 社内SEのデメリット

一方で、社内SEのデメリットとしては以下が挙げられます
    • 技術的キャリアの限界
    • 給与面での不安要素

3.1. 技術的キャリアの限界

社内SEは自社内のシステムに特化しているため、技術的なキャリアの幅が狭くなることがあります。特に、最新の技術やトレンドに触れる機会が少ない場合、技術的な成長が制限されることがあります。

3.2. 社内SEの給与面での不安要素

社内SEの給与は、一般的なSEに比べて低い場合があります。また、企業のIT予算に依存するため、給与の上昇が見込みにくいこともあります

4. 社内SEに必要なスキル

社内SEに必要なスキルとしては以下が挙げられます ビジネス理解力:
    • 企業の業務プロセスに強い関心がある
    • IT以外の部門(営業、人事、財務など)の業務内容を理解しようとする姿勢がある
    • 技術をビジネス課題の解決にどう活用するか考えられる
バランスの取れたIT知識:
    • 幅広いIT分野の基礎知識がある
    • 特定の技術に固執せず、企業に最適なソリューションを選択できる
    • レガシーシステムと新技術の橋渡しができる
優れたコミュニケーション能力:
    • 技術的な内容を非IT部門の社員にも分かりやすく説明できる
    • 経営層にITの価値を説明し、理解を得ることができる
    • 社内の様々な階層や部門の人々と円滑にコミュニケーションが取れる
柔軟性と適応力:
    • 企業特有の文化や慣習に適応できる
    • 限られたリソースや予算内で最適な解決策を見出せる
    • 急な要望や変更にも臨機応変に対応できる
問題解決能力:
    • ユーザーの立場に立ってシステムの問題を特定できる
    • 技術的な解決策だけでなく、運用面での改善も提案できる
    • 長期的な視点で企業のIT戦略を考えられる
忍耐力とサポート精神:
    • ITに不慣れなユーザーに対して辛抱強くサポートできる
    • 同じような質問や要望に対しても丁寧に対応できる
    • ユーザーの満足度向上に喜びを感じる
セキュリティ意識:
    • 企業データの重要性を理解している
    • セキュリティリスクを認識し、適切な対策を講じられる
    • セキュリティポリシーの策定や啓蒙活動に積極的に関与できる
プロジェクト管理能力:
    • 小規模から中規模のIT関連プロジェクトを管理できる
    • 社内の各部門や外部ベンダーとの調整ができる
    • 限られたリソースを効果的に活用してプロジェクトを遂行できる
コスト意識:
    • IT投資の費用対効果を考えられる
    • 無駄な支出を抑え、効率的なIT運用を実現できる
    • 経営層に対してIT投資の必要性を説得力のある形で提示できる
継続的学習の姿勢:
    • 業界トレンドや新技術に関心を持ち、自己学習を続けられる
    • 企業のニーズに合わせて自身のスキルを更新できる
    • 社内でのナレッジ共有や教育に積極的に関与できる

5. 社内SEへの転職のポイント

5.1. 転職エージェントの活用

転職エージェントは、求職者と企業をつなぐ重要な役割を果たします。専属のアドバイザーが履歴書や職務経歴書の作成、面接対策、キャリアアドバイスなどを行い、効率的に転職活動をサポートします。特に、情シスに強いエージェントを利用することで、非公開求人にアクセスできる利点があります。 お勧めの転職エージェントは以下の記事を参考にしてみて下さい!

5.2. スキルと経験の整理

転職活動の第一歩は、自己分析です。自分のスキルや経験を棚卸しし、どのような強みがあり、何を得意としているのかを明確にすることが重要です。例えば、ベンダーコントロールスキルや基盤設計・構築スキルなど、応募先企業で評価されるスキルを整理し、具体的なエピソードを交えて自己アピールを行うと効果的です

5.3. 企業研究と情報収集

応募企業の業界内での立ち位置や競合企業との比較、今後のIT基盤の課題などを調査し、どのような貢献ができるかを具体的に示すことが重要です。企業の規模やIT投資の考え方なども確認し、自分の希望と企業が求める役割・業務内容が一致しているかを必ず確認しましょう。

5.4. スキルアップと資格取得

情シスへの転職において、スキルアップや資格取得は大きなアピールポイントとなります。例えば、情報処理技術者試験やプロジェクトマネジメントの資格など、情シスに関連する資格を取得することで、自分の市場価値を高めることができます

5.5. 面接対策

面接では、具体的なエピソードを交えて自己アピールを行うことが重要です。また、業界未経験でも即戦力として活躍できる要素を因数分解し、詳細なエピソードを加えることで、自己アピールの説得力を高めましょう

5.6. 最新の求人動向と市場の理解

情シスの求人市場は常に変動しており、最新のトレンドや需要の高い分野、給与や待遇の傾向を理解することが重要です。例えば、給与水準の上昇や福利厚生の充実、リモートワーク手当の支給などが見られます

6.まとめ

まとめると、社内SE(情報システム部門)は、企業内のITシステムを管理・運用する重要な役割を担っています。 主な業務には、システムの企画・開発、運用・保守、ネットワーク管理、IT資産管理、ヘルプデスク業務などが含まれており、 社内SEのメリットとしては、残業が少ない、福利厚生が充実している、精神的ストレスが比較的少ない、穏やかな人が多いことが挙げられます。 一方、デメリットとしては、技術的キャリアの幅が狭くなる可能性や、給与面での不安要素があります。 ワークライフバランスを重視した働き方を心がけることで、長期的なキャリア形成が可能になりますので、長期的にIT業界で働いていきたい方には社内SEという選択肢もありだと思います
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